第八巻 宴のあと/お嬢さん/獣の戯れ「宴のあと」☆ 料亭・雪後庵の女主人福沢かづは、外相を務めたこともある野口と出会い 50歳にして初めて結婚する。自分の才覚一つで料亭を切り盛りして蓄えもできた上に、 終の棲家さえ得たと喜ぶかづは、革新政党から都知事選に出馬要請された夫のため、 すべての財産を投げ打って奔走するが… 「お嬢さん」 ☆ 大学生の藤沢かすみは「不幸への情熱」から会社役員の父が選んだ前途有望な 若手社員3人のうち、人当たりは良いが実は数多くの女性問題を抱えた沢井を選ぶ。 大学を辞めて、すぐに沢井と結婚したかすみは、娘時代の「不幸への情熱」に反して 心炒られる日々を過ごすことになり… 「獣のたわむれ」 ☆ 天涯孤独の身ながら親の遺産で何とか大学に通っていた幸二は、 アルバイト先の銀座にある西洋陶器の店の主人・逸平に気に入られ、 自宅にも出入りするようになる。あるとき、逸平が抱える妻・優子への 屈折した思いを知った幸二は、二度の罪に手を染めてゆくことになる… |